kojima

連雀通りには三鷹駅からバスでいき、狭い歩道を少し歩いた。道の両側には、ひと一人で一杯になるほど細い歩道が長々とつづいている。時々自転車も通って、みな譲り合って何とか通っている。
歩道を歩いていて後ろから自転車にリンを鳴らされることはない。あまりにもせまいからドケとは言い難いらしい。妙に安心して通ることができる。

吉祥寺駅を出て東に高架線に沿って歩いてくると、クリーニング店がある。前を通りながら店の中を覗くと、いつものお兄さんが今日は眼鏡をかけていた。
先日、ズボンの裾上げの引換券をもってここに飛び込んだことがある。引換券を出すと、お兄さんが打ち箱の引換券ですと言って目の前の小さな缶に立っている紙の束を指差した。瞬間何を言われているのか理解できなかったが、間違った引換券をもってきたわけではなく、引き換え場所をまちがえていたことに気が付いてのは、店を出てしばらくしてからだった。
しばらくの間は、この店の前を通るとそのことを思い出すだろうな、と思いながら通り過ぎた。