kojima

井の頭文化園で風の音に聞く

天高く晴れた秋空の下を風が吹き抜けて、メタセコイアやラクウショウの梢が風にざわめいている。曼珠沙華の花はもうなかった。
木々を渡る風の音を聞いていると、何層にも分かれて風が鳴り、様々な音を立ててまるで話をしているようである。たくさんの葉の群れが何事か囁き合い、高らかに歌い合っているようにも聞こえる。

この地球は人だけの世界ではないのだ、とそのとき風が囁いてくれたような気がして、木々の梢のあたりに目をやると、木の葉が一斉にさわさわと鳴った。
今はまだメタセコイアもラクウショウも見上げると葉がいっぱい茂っているが、もう間もなく一斉に黄葉し落葉していく。いつでも今が最高に美しいから、今を楽しもう。いつでも今である、今しかない、メタセコイアやラクウショウの濃い緑の葉が風の音になって歌っているように聞こえたのである。
これが今日風の中で聞いた話である。
posted at 22:58:49 on 2004-09-30 by kojima - Category: 散歩で思う TrackBacks

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